事実婚か法律婚か、マネー的にはどちらが得か?(写真:アフロ)

 結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。

 Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、マッチングアプリで知り合った40代カップルが、事実婚を選択したいけれど、法律婚との違いを含め、ライフプランについて総合的なアドバイスを求めてきた事例を紹介します。(JBpress)

【関連記事】
第1回:「お前はバカだ」と罵倒されて20年、モラハラ夫と離婚するためのマネープラン

 最近、マッチングアプリを通して、恋人や結婚相手を探し、見事に成就しているケースが少なくありません。今回ご紹介するのは、マッチングアプリを通して知り合った40代のミドルカップル。既に同棲はしているようですが、お互いの仕事などのことを考え「事実婚」を選択しようと思っているとのこと。ただ、マネープランを考慮すると、法律婚との違いやメリット・デメリットはどこにあるのか、気になるようです。事実婚を選ぶ意思は固いようですが、注意するべき点などについてアドバイスを求めてやってきました*1

*1:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

バリキャリとバツイチ、40代カップル

 C子さんは、40歳、金融関係の営業職としてバリバリ働いています。1年前にマッチングアプリで知り合ったDさんと交際を経て、現在は都内の賃貸マンションで同棲しています。Dさんは42歳、大手メーカーに勤務しています。

 2人はマッチングアプリで出会ったのをきっかけに何回かデートを重ねてきました。お互い引かれ合い、現在は同棲しています。同棲してから半年が経ち、そろそろ真剣に将来のことを考えはじめているそうです。

 C子さんは、長年、営業の仕事をしている関係上、改姓には前向きではありません。一方のDさんも離婚の経験があり、特に法律婚にこだわっていません。 

高山 一恵(たかやま・かずえ) (株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。

 そこで2人は婚姻届を出さずに、事実婚を選択しようと思っているとのこと。ただ、今後、マンションを購入したり、できれば、子どもも欲しいと考えていたりするので、事実婚でもマネープラン上、特に問題はないのか、気になって相談にいらっしゃいました。