machine『Superb』ジャケット写真より
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(冬将軍:音楽ライター)

90年代から現在までの、さまざまなヴィジュアル系アーティストにスポットを当て、その魅力やそこに纏わるエピソードを紹介していくコラム。今回は今年の夏、突然の「再起動」でシーンを騒然とさせた「machine」。1999年当時最先端であったデジタルロックとY2Kサイバーな未来感の融合でファンを魅了した彼らは、どう進化したのか?『90年代ヴィジュアル系ロック名盤100選』(星海社新書)を2026年1月21日に発売する著者が魅力を語ります。(JBpress)

サイバーロックスターユニット突然の再起動

 ボーカリストHAKUEI(PENICILLIN、The Brow Beat)とギタリストKIYOSHI(hide with Spread Beaver、MADBEAVERS、ex.media youth)によるユニット、machineが2025年夏、突然の再起動でシーンを騒然とさせた。さらにSeek(Ba/Psycho le Cému、MIMIZUQ、ex. Mix Speaker's,Inc.)、CHARGEEEEEE...(Dr/ZIGGY、SEX MACHINEGUNS、Marty Friedman、長渕剛ほかサポート)というエッジの効いたリズムセクションと共に、7月に3本のライブを行った。サウンド、ヴィジュアルともに、より強力に進化した勇姿を我々に見せてくれた。バージョンアップされた楽曲のMVのインパクトも強烈だ。

machine「機械児 2025」【Official Music Video [Full Ver.] 】

 machineは1999年当時、人気絶頂のPENICILLINのフロントマンと、hide with Spread Beaverで一躍脚光を浴びたギタリストによるスーパーユニット。ロックファンの度肝を抜いた。いきなりの日本武道館公演開催というのも、2人の実力とその人気、そして何よりmachineへの期待がどれほど大きかったかわかるだろう。

 元々は半年間限定の活動を前提に結成されたが、1stアルバム『captain sonic tune』(1999年4月)を完成させた手応えから、2ndアルバム『e’rect』(1999年12月)、3rdアルバム『salvation-D9』(2002年)、4thアルバム『superb』(2005年)……と不定期ながらもリリースとライブを重ねてきた。そして、今回の再起動は実に10年ぶりだ。