美人営業員に騙されてしまった(写真:DKai/Shutterstock.com

結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。

Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、数週間前に不動産投資の契約をしたものの、その後、さまざまな不安が募り、セカンドオピニオンを求めてやってきた30代のエリート会社員C男さんの相談事例についてお話します。(JBpress)

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

 今回ご相談にやってきたのは、30代のエリート会社員C男さん。専業主婦の妻と1歳の娘さんの3人家族です。C男さんは、大手有名メーカーのエリート会社員。お話をしていると、真面目で誠実な人柄というのが伝わってきて、好感が持てました。

 C男さんのご相談は、数週間前に不動産投資をするために新築のワンルーム物件を契約したが、その後、営業員の態度や色々と勉強していくうちに不安が募ってしまったとのこと。そこで、不動産投資に詳しいファイナンシャル・プランナーから見て、自分が契約した物件は、大丈夫なのかどうか判断してもらいたいとのことでご相談にいらっしゃいました。

不動産投資に関心を持つ人は多いが…(写真:PHOTOCREO Michal Bednarek/Shutterstock.com

将来への不安を感じて、不動産投資セミナーに参加

 そもそもC男さんが不動産投資に興味を持ったきっかけは、思うように給料も上がらず、年金も当てにならない、加えて、子どもができたので、これから教育費もかかるなどの将来不安でした。

 ある時、同僚との飲み会で、将来不安に備えて、不動産投資をやっている人が数名いることがわかり、同僚に相談してみると、不動産投資セミナーへの参加を勧められたそうです。

高山 一恵(たかやま・かずえ) Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。最近の著作に『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』『はじめての新NISA&iDeCo

 真面目な性格のC男さんは、確かに、セミナーに参加して、きちんと話を聞いてみた方がよいだろうと判断し、同僚から勧められた不動産投資セミナーに参加しました。セミナーで講師の話を聞いて、C男さんは、「ローン返済後は、安定的に家賃収入が入るのは魅力。老後の年金の足しになるかもしれないし、途中で売却して利益がでるかもしれない。不動産投資も悪くないな」と、不動産投資に興味を持ったそうです。