子どもにもある「年収の壁」(写真:masamasa3/Shutterstock.com)
(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)
所得税がかかり始める「年収103万円の壁」が、「160万円」に引き上げられるというニュースが注目を集めています。自民・公明両党は国民民主党との協議を経て、昨年12月に決まった「123万円」に引き上げる政府案を修正するとのこと。
(図:共同通信社)
大きな話題の「年収の壁」問題ですが、配偶者がパートやアルバイトなどで働いている場合だけではなく、大学生などの子どもも関係してきます。いわゆる「もうひとつの103万円の壁」問題です。
今回、ご相談にやってきたのは50代の会社員Yさんです。Yさんはパートの妻、大学生の息子さん、高校生の娘さんの4人暮らし。
大学生の息子さんが想定以上にアルバイトで稼ぎ、年収103万円を超えてしまいました。その結果、Yさんの「扶養」から外れ、税金の負担が大幅に増えてしまったそうです。さらに会社からの扶養手当もなくなることになり、物価高で家計が圧迫されている中、あせった様子でした。
高校生の娘さんも大学受験を控え教育にお金がかかる時期でもあり、家計の見直しや税金の知識も理解しておきたいと相談にいらっしゃいました。
今回は、パート・アルバイトをしている「子どもの年収の壁」に焦点を当て、今後の改正の方向性も含めてお話しします。
(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

