タワマンに憧れていても住宅ローンは慎重に(写真:kawamura_lucy/Shutterstock)

結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。
Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、数年前にタワマンを購入したものの、最近の金利上昇で心配になって家計の相談にやってきた40代男性会社員の方の相談事例についてお話します。(JBpress)

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

都内近郊の高級タワーマンションを購入

 今回相談にやってきたのは、40代で大手メーカー勤務のF男さん。5年ほど前に妻の夢を叶えるべく、都内近郊のタワマンを購入。ちょっと背伸びしているかなと思いつつも、住宅ローンの金利が超低金利だったことや住環境が気に入り購入に踏み切ったそうです。ところが最近、住宅ローンの金利が上昇してきたというニュースが世間を騒がせているので不安になり、私のところに家計相談にいらっしゃいました。

 F男さんの年収は800万円程度。パート勤務の妻と小学生の娘さんの3人家族です。

 F男さん一家は、それまで賃貸で暮らしていましたが、妻がタワーマンション(タワマン)に住むのが夢だったこと、娘さんの教育環境を整えたいということもありタワマンを購入しました。

 東京都心部のタワマンよりも価格は手頃とはいえ、価格は約8000万円。F男さんは、かなり躊躇(ちゅうちょ)しましたが、内見に行った時に、ラウンジやゲストルーム、キッズルームなどが完備されている充実した設備や周辺の住環境がとても気に入ったそうです。

 不動産会社で住宅ローンの試算もしてもらい、支払いについてもなんとかなると判断し、購入を決意。住宅ローンの変動金利はかなりの低水準だし、F男さんのご両親から1000万円程度の資金援助があったのも購入の後押しになったようです。