ロシア軍はどこに展開しているのか?

 ではここで、ロシア軍はどこに展開しているのか、各種報道を分析してみたいと思います。

 最初に、ロシア軍の戦車が戦車砲を撃っているお馴染みの場面を考察します。

 日系テレビ映像のナレーションは「ロシアはウクライナとの国境付近に軍隊を配備しています」と説明しながらの映像ですから、我々視聴者はウクライナとの国境付近でロシア軍の戦車が実際に大砲をぶっぱなしていると思い込みます。

 この映像はロシア軍が撮影したロシア軍の演習風景ですが、このような演習は各国どの軍隊でも毎年やっています。

 余談ですが、日本の自衛隊も富士演習場に招待客を呼んで、戦車や榴弾砲の実弾射撃訓練を公開しています(最近はコロナ禍の関係で実施していませんが)。

 筆者の家族に御殿場に住んでいる者がいます。地元住民には招待状が来るので毎年参加しており、実弾射撃は迫力あると言っていました。

 ロシア軍戦車の演習風景は場所が特定されていません。これはロシア軍が撮影したロシア軍の演習風景であり、これがウクライナ国境付近であるとの証拠は何もありません。

 1か所のみ場所が特定されました。それはエリニャです。

 グーグル地図でエリニャを検索すると、場所がすぐでてきます。ベラルーシとの国境から150キロほど離れた場所で、ウクライナからは遠く離れています。

 ですからテレビでエリニャを示すと、「なんだ、ウクライナ国境ではないではないか」とばれてしまいます。

 そこでテレビでは、エリニャから下(南)の方向へ長い楕円形の地図を書いて、ウクライナ国境に近付けています。

 付言すれば、エリニャは交通の要所です。ナポレオン軍はベラルーシ側からエリニャを通り、モスクワに入城。退却時も同じルートで退却中にほぼ全滅しました。

 ドイツ機甲軍団もエリニャを通過して、モスクワを目指しました。

 筆者の推測ですが、エリニャ以外の地名を公表しないことが米国の国益に適うので公表しないのだと思います。

 米国の軍事偵察衛星はロシア軍がどこに展開しているのか、正確に把握しているはずです。実際にはロシア軍は通常駐屯地付近に展開しており、ウクライナ国境ではないのかもしれません。

 もし本当にロシア軍がウクライナ国境に展開して、戦車が国境を越える態勢を整えているとすれば、その映像を流すはずです。

 しかし、毎日流れる同じ映像はお馴染みの戦車の演習風景のみです。

「ロシア軍のウクライナ侵攻は近い」とする説明が流れる中での演習風景ですから、(筆者含め)毎日同じ映像を繰り返し観ている人は、サブリミナル効果で≪これはウクライナ国境付近だ≫と思い込まされて映像を観ていることになります。

 これこそ、意図的偽情報を流す側の目論見となりましょう。