「大きな『もしも』に十分な備えができていない」
昨年5月の印パ危機で、パキスタン空軍のJ-10CEが発射したPL-15Eは約200キロメートル離れたインド空軍のラファールやSu-30MKIを撃墜したとされる。ロシアのR-37Mがウクライナ戦線で限定的な戦果にとどまっているのに対し、中国製ミサイルの有効性は極めて高い。
SAM分野でもHQ-9B/Cや弾道ミサイル迎撃用のHQ-19などの独自開発が優先されている。強力な電子機器産業を背景に中国はロシア製よりも高度なセンサーとネットワーク能力を有する。
射程2000キロメートル以上に達する超長距離SAM開発の兆候も見られる。宇宙ベースのセンサー網と連携すれば、これまで安全圏にいた米軍の空中給油機や早期警戒機を直接脅かす存在となり得る。
ブロンク氏はタイムズ紙に「この分野で米国、西側諸国はほぼ確実に優位に立っていると思い込んできた。中国が西側の航空戦力に追いつくには何年もかかるだろうという思い込みが根付いている」と警鐘を鳴らしている。
依然として西側の脅威となる恐れがあるロシアは技術力で完全に中国に追い抜かれた。「北大西洋条約機構(NATO)や西側はもし制空権を握れなかったらどうなるかという大きな『もしも』に十分な備えができていない」(ブロンク氏)