2034年でも自動運転レベル4はせいぜい10%

 本質的には、自動運転レベルという基準そのものを見直すべき時期に来ているということだろう。自動運転レベルの基準をどうするかが議論されていた段階から取材をしてきた筆者として、そう感じる。

 では、ホンダがいう次世代ADASとは、具体的にどのような技術なのか。

 現時点では、「人×AI(人工知能)」による知能化運転支援技術という、抽象的な表現にとどまっているため、技術的な詳細は不明だ。

 そうした中、フランスの大手自動車部品メーカーのヴァレオが報道陣向けに実機を交えた次世代型のADAS技術説明会を神奈川県内で実施した。

 同社は日系メーカー各社を含めて、ADASや電動化など多様な分野で自動車メーカーへの納入実績がある。

 ヴァレオが最初に示したのは、「2034年のADAS市場」の予測だ。

 それによると、2023年には基本的なADASはグローバルで標準装備となっている。超音波センサーやカメラによるパークアシスト(自動駐車支援)や、フロントカメラをメインセンサーとするアクティブセイフティを指す。

 次に、自動運転レベル2と、さらに高度なレベル2+の普及率は60%と予測されている。

 そして、その上位で自動運転の領域となるレベル3と、運転席が無人化できるレベル4は合わせて5〜10%程度と見込む。

 つまり、当面はレベル2の高度化が、自動車部品メーカーにとってのビジネスチャンスだと言えるだろう。

 その上で、ヴァレオは画像認識用のカメラ、レーザー光を発射して周囲の状況を検知するライト・ディテクション&レンジング(LiDAR:ライダー)などのハードウェアを開発している。

 あわせて、ソフトウェア、プロセッシングユニット、そして開発全体に関する技術支援サービスなどをトータルパッケージで用意している。

 そうした中で今回、2つの新技術に注目したい。