新型フォレスター「Premium S:HEV EX」。千葉県内で行われた公道試乗会にて(写真:筆者撮影)

スバル新型「フォレスター」の報道陣向け試乗会に参加し、2.5Lストロングハイブリッドを搭載する「X-BREAK S:HEV EX」と「Premium S:HEV EX」、そして1.8Lターボエンジン搭載の「SPORT EX」の3グレードを試乗した。SPORTについては、この半月前に筆者が独自に車両をSUBARU(スバル)本社から借りて公道試乗している。その上で、今回改めて各グレードを乗り比べて、ストロングハイブリッド搭載車の走りの特性を十分に理解することができた。今回の記事ではそれぞれのグレードに試乗した感想を紹介する。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

「やはり、SUVは公道試乗での印象が違いますね」

 終日、新型フォレスターの各グレードを試乗した後、筆者はスバル関係者にそう伝えた。

 3月に千葉県袖ヶ浦フォレストレースウェイで実施された、新型フォレスタープロトタイプ試乗会と比べて、今回はクルマに対する印象が若干違ったからだ。

 自動車メーカーが新車の発売前に、報道陣向け試乗会を行うことは珍しくない。その際は通常、車両がナンバープレートを取得していないため、サーキットなどのクローズエリアを使用する。周囲から遮断されているため、情報の秘匿性も確保できる。

 サーキット走行とはいっても、レースのようにタイムアタックをするわけではない。あくまでも量産車であるため、クルマの設計者やエンジニアの開発意図をしっかり掴むよう、公道を走行しているようなイメージで走るように心がけている。それでも、サーキットは公道に比べてコース幅が広く、特殊な舗装を施した路面なのでタイヤのグリップ力は強く、さらに対向車はおらず、交差点もないなど、走りのリズムは公道とは違う。

 それを理解した上でも、直線路は高速道路、S字カーブやヘアピンはワインディング道路を念頭に走るのだが、コース上には他のクルマもいるため、極端に速度を落とすことはできない。そのため市街地や市街地周辺での走行環境を再現することは難しい。