よく曲がるクルマ

 話を新型フォレスターに戻すと、ストロングハイブリッド搭載車は、SUVとしては異例と言えるほどよく曲がる。袖ヶ浦フォレストレースウェイでも「よく曲がるクルマ」という印象があったものの、その特性が公道でとても目立った。

ズラリ勢揃いした、新型フォレスターの各グレード車(写真:筆者撮影)

 ボディ寸法は全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm、ホイールベースは2670mm。

 エクステリアデザインは先代モデルと比べてドッシリと構えており、商品コンセプト通りの「The SUV」だ。しかも「Premium S:HEV EX」の重量は1750kgもあるのに、ワインディングコースをスイスイと駆け抜けていくのだ。

 具体的には、コーナーの進入でハンドルを少し切るだけで、クルマがコーナーの内側に吸い寄せられるように動き、コーナーリング中もクルマは大きくロールする気配がない。

 決してサスペンションが硬いのではなく、サスペンションが実によく動いているのが分かる。

新型フォレスター「Premium S:HEV EX」の車内(写真:筆者撮影)

 車体担当の開発者は「先代モデルと比べて、ボディ剛性を上げ、リアサスペンションの稼働量を増やしたことが効いている」と説明する。具体的には、車体後部の構造物と接着構造を改良し、ショックアブソーバーについては、横からかかる力の影響力を低減した。

試乗はオフロードコースでも行われた。新型フォレスター「X-BREAK S:HEV EX」(写真:筆者撮影)

 また、走行性能担当の開発者は「トルクベクタリングが効いている」と言う。コーナーリング中に内側のタイヤに軽くブレーキをかけることで旋回性能を上げたのだという。