
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
「そうだ、CX-80で大阪・関西万博に行ってみよう」と思い立ち、実行した。昨年10月、徳島空港を起点に淡路島を通り神戸までの間を往復する約200kmを「CX-80」で走った際、もっと長距離移動でその実力を深掘りしてみたいと感じていたからだ。
また、2月に静岡県内で実施された「CX-60」大幅改良モデルのメディア試乗会で、マツダ開発者から「CX-80での知見を再検討して、こうした走り味にたどり着いた」という声も聞いたことも、理由の一つだ。
そうした中、何かと話題の大阪・関西万博を、しっかりこの目で確認したいとの気持ちもあり、その相棒としてCX-80を選んだというわけだ。
あわせて、復路で三重県鈴鹿サーキットにも訪れた。マツダとして今シーズンの初戦となるスーパー耐久シリーズ2025・鈴鹿戦も取材した。
試乗距離は約1500kmに及び、じっくりとCX−80の本性を知ることができた。
では、その模様をお届けしたい。

車両重量は2120kgという重量級
横浜市のマツダR&D横浜で、CX-80 ・XD-HYBRID Premium Modernに再会した。徳島〜神戸試乗会にも参加していた試乗車の中の1台だ。
エンジンは「e-SKYACTIV D 3.3」。直列6気筒3.3Lディーゼルのマイルドハイブリッドである。最高出力は187kW、最大トルクは550Nm。駆動方式は四輪駆動(i-ACTIV AWD) で、車両重量は2120kgという重量級だ。
ボディも大きい。全長4990mm×全幅1890mm×全高1710mm、ホイールベースが3120mmで、日本車としてはかなり大きい。そうなると、やはり課題は駐車場である。今回はメディア試乗会ではなく、筆者個人で車両をマツダ本社から借りているので、旅程を組む段階でホテルの駐車環境やセキュリティ対策を自己責任として配慮した。
そんな大きなCX-80なのだが、走り出すとすぐに、以前試乗した際の感覚が戻ってきた。