自動運転の未来は混沌としている
ただし、ADAS機能の拡充による新車コストの上昇を考えると、ホンダが示したように次世代ADASは価格の高いモデルから順次採用し、量産効果が出てきたところからマスマーケット向けモデルへと広がっていくものと予想される。
いずれにしても、ヴァレオが示すように、2030年代半ばになっても自家用車の多くが完全自動運転になっている時代にはなっていないだろう。
レベル4の完全自動運転は主に、バスやロボットタクシーなどの公共的な移動手段での普及が期待される。
高度なADASと自動運転は今後、どのように社会に融合されていくのだろうか。技術的な進化が期待されているものの、現時点では先行きは不透明と言わざるを得ない。
桃田 健史(ももた・けんじ)
日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。
◎Wikipedia