広島市側はカープの指定管理者指定について、

〈プロ野球の本拠地球場としての機能を中心としながら、高水準の施設機能を活用してアマチュア野球振興を図る役割を担っている。一般のアマチュア利用については、グラウンド条件を考慮しながら、可能な限り多くの市民が利用できるよう、公開の抽選により使用者を決定し、市民の誰もが 平等に利用できるよう対応している〉

 と評価している。

「指定管理者制度」以外のスキームにも工夫

 また2005年に発足した新球団、東北楽天ゴールデンイーグルスは「指定管理者」ではないが、県営の宮城球場を本拠地にするにあたり数次の大規模改修事業の工事費用をすべて楽天球団側が負担し、改修した施設をすべて宮城県に寄付することで、球場内の運営管理の許可を得ている。

東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地「楽天生命パーク」2024年(筆者撮影)
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 さらに2011年、横浜ベイスターズの球団株式を取得したDeNAグループは、2015年、本拠地横浜スタジアムの運営会社で第3セクターだった株式会社横浜スタジアムの株式を友好的TOB(株式公開買い付け)で取得し、球団と球場の経営を一体化した。

横浜DeNAベイスターズの本拠地「横浜スタジアム」2024年(筆者撮影)
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 こういう形で多くの球団が、実質的に本拠地球場の営業権を取得し、球場使用料を実質「ゼロ」にしていった。ただ、2015年の時点で言えば、巨人、ヤクルト、日本ハムの3球団が依然として高額の球場使用料を支払っていたのだった。

*多くの球場はネーミングライツにより一般名称が変更になっているが、この稿では正式名称とした。