日産とホンダのニュースについて
2024年の自動車業界は、日産とホンダ(そして三菱)のニュースが年末に転がり込んできて幕を閉じました。
これに伴い、メディアではさまざまな予測や憶測が飛び交いましたが、共同記者会見でも述べられていたように、あくまでも「3社協業形態の検討に関する覚書を締結」したまでで、関係者にも聞いてみたところ、記者会見の時点では本当にまだ何も決まっていたなかったようです。各社から数名の社員が集まって「検討チーム」のようなものを作り、そこでさまざまな可能性を探っている段階です。つまり話し合いの結果次第では、すべてなかったことになる場合もあり得るわけで、予断を持たずに成り行きを見守りたいところです。
このニュースが、「社名が“ニッポン”になるかも」とか「日産とホンダの社員はうまくやっていけないのでは」など、あたかも日産とホンダがひとつの会社になるかのように巷では受け止められたようですが、おそらくそんなことにはならないでしょう。例えば、ダイハツはトヨタの完全子会社ですが、トヨタとダイハツは基本的に別々のブランドとしてやっています。海外を見れば、フォルクワーゲングループはフォルクスワーゲンをはじめ、ポルシェ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニなどが協業していますし、ステランティスグループはフランスのプジョーやシトロエン、アメリカのジープ、イタリアのフィアットやアルファ・ロメオやマセラティ、ドイツのオペルなどが顔を連ねています。記者会見でも述べられていた「共同持株会社」の形態になるのであれば、フォルクスワーゲンやステランティスのように、個々のブランドはある程度の独立性を維持したままこれまで通り存続することになると思われます。