ノルウェー、スウェーデン、フィンランド。北欧を代表する3か国の絵画を紹介する展覧会「北欧の神秘ーノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」がSOMPO美術館にて始まった。

文=川岸 徹

テオドール・キッテルセン 《トロルのシラミ取りをする姫》 1900年 油彩・カンヴァス 45.5×68.5cm ノルウェー国立美術館 Photo: Nasjonalmuseet / Børre Høstland

世界一幸福な国は?

 3月20日、国連が発行する「世界幸福度報告書」2024年版により、最新の世界幸福ランキングが公開された。1位は7年連続でフィンランド。以下、2位デンマーク、3位アイスランド、4位スウェーデン、5位イスラエル、6位オランダ、7位ノルウェー、8位ルクセンブルク、9位スイス、10位オーストラリア。日本は4つランクを落とし、51位という結果だった。

 このランキングは各国の約1000人に「最近の自分の生活にどれくらい満足しているか」を回答してもらい、幸福度として算出。結果には「一人あたりのGDP」「社会的支援」「健康寿命」「人生の選択の自由度」「寛容さ」「政治の腐敗度」が大きく反映されているという。

 ただし“幸福かどうか”のとらえ方は主観的なもの。中庸、平均的を好む日本の順位は低くなりやすいのも仕方がないだろう。ランキングの算出方法に少しばかりの疑問はあるが、北欧各国の順位が安定して高いのは確かだ。

 ではなぜ、北欧は幸福度が高いのか。言うまでもなく、北欧の自然は厳しい。フィヨルドに代表される原始的な風景は美しくもあるが、1年を通して寒く冷え込む時期が長く、快適に暮らしやすい地とは言い難い。さらに北欧は争いの多い地でもあった。欧州の強国やロシアから侵略を受け続け、第一次・第二次の両世界大戦でも大きな打撃を被っている。最近では移民問題によるトラブルが増加していると聞く。

 それでも北欧の人々は忍耐強く過酷な自然と共生し、様々な困難を乗り越えてきた。独自の政策やシステムにより、今や教育、医療、福祉は世界最高といわれる高水準。産業の創出にも力を注ぎ、洗練されたデザインのファッション用品、あたたかみのある食器、無駄を省き機能性を重視した家具や電化製品などを生み出してきた。スウェーデンのIKEA、ノルウェーのヘリーハンセン、フィンランドのノキアといった北欧生まれのアイテムは世界中で愛用されている。