マスク氏の買収以来、最大級のユーザー離脱か

 米NBCニュースは大統領選後の11月6日、マスク氏のX買収以来最大の「ユーザー・エクソダス」が生じたと報じている。

 この中で、Xを離脱した一般女性(39)は「(Xを)開くたびに何かを投げつけられたようで気分が悪くなった。特に(大統領選挙のあった11月5〜6日)にかけて、アンチ女性的な投稿が増加していた」として、8年もの利用にもかかわらずXと決別した。

 Xを離れた人々の受け皿となったのは、Xと類似のSNSプラットフォームのBlueskyだ。11月15日には1日で100万人の新規ユーザーを獲得。18日までにさらにユーザーを増やし、同日1900万人を突破した。大統領選前の10月末の時点から、600万人ほどの新規ユーザーを獲得したことになる。

me watching Bluesky's user count grow by another million in a day hello and welcome to all 19M of you!

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— Bluesky (@bsky.app) November 18, 2024 at 11:51 AM

 Blueskyは、ブラジルでXが違法コンテンツの削除要請などを無視し、法令違反を続けたことで同国内でのサービス停止措置が取られた際、Xユーザーが大量に流入した時にも注目された。米タイム誌はBlueskyに移行したユーザーが、広告やヘイトスピーチがなく「XのTwitter時代を想起させる」という多数の期待の声が上がっていると伝えた。

 日本のXユーザー数は今年4月の時点で、米国に次いで世界2位である。しかし、同時期、世界の月間ユーザー数で見るSNSの人気度を見ると、Xは首位のFacebook(フェイスブック)や次点のYouTube、3位のInstagramに遠く及ばず、トップ10圏外にある。

 日本では主要SNSの一つであるXだが昨今の「ユーザー・エクソダス」により、世界的なトレンドとしてXは「ヘイトとフェイクをまき散らす、過去のダサい遺物」になる可能性もあるのではないだろうか。さらにXには、トランプ氏所有のSNS「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」との合併話も持ち上がっている。実現すれば、ますますX上の右傾化が進むことは必至だろう。

 ただ、Xを利用する人の多くは、それを政治的なコミュニケーションツールとして重用しているとの指摘がある。米ピュー・リサーチ・センターは6月、米市民の6割近い人たちが、政治問題に関連してXを使用するという調査結果を発表している。