もはや「トランプ&マスク政権」
11月5日に行われたアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプ前大統領が圧勝してから、1週間が過ぎた。現在では、主要閣僚などの人事に、日本を含めた世界の関心が集まっている。
だが私は、突然降って湧いたように「トランプの盟友」になった実業家のイーロン・マスク氏こそが、最大のキーパーソンであると考える。換言すれば、ホワイトハウスを利用して全世界を操ろうとしている「マスクの野望」こそが、2期目のトランプ政権のキモではないか。
マスク氏は、過去半年間に少なくとも1億1900万ドル(約180億円)を、トランプ陣営に寄付するなどしてきた。その効果もあって、トランプ候補は見事勝利。アメリカ時間の11月6日深夜2時過半頃に行われた「勝利宣言スピーチ」で、トランプ氏は、異常なほど長時間にわたって、マスク氏本人や、マスク氏が進める宇宙ロケットのことなどを礼賛しまくった。それは、まるでアメリカに「トランプ&マスク政権」が成立するかのような光景だった。
トランプ氏もマスク氏も、周知のように稀代(きだい)の商人である。商人が「投資」するのは、当然ながらその何倍、何十倍もの「利益」を期待するからだ。