萩生田氏、登場

 そうこうしているうちに、次第に聴衆が集まり始めた。年齢層は平日のためか年寄りが多い。

 その中の男性が「萩生田さんは地元のためにどれだけ尽くしたか。説明責任は地元でやっている。裏金裏金というが、あれは報道が流している造語だ。けしからん!」と大声で叫んだ。きっと萩生田氏の熱烈な支持者なのだろう。

 聴衆はざっと数えて200人くらい? 運動員がパンフレットを配って回る。もらったパンフレットを見る。「Try!One for all All for One」という文字が彼の顔に並んでいる。

 中身のキャッチコピーを読んだ。「日本を前へ!」「今までも これからも」「確かな経験と実績…さらに前へ」とある。

 さらに経歴は党政調会長、文部、経済産業大臣と党の大物ぶりをアピール。プロフィールに目を向ける。早稲田実業、明治大学とある。太った大男、下膨れの顔はやんちゃな子どもがそのまま大人になったように見える。

 一方、応援弁士の高市早苗氏もテレ朝の「朝まで生テレビ」に出演しはじめた頃の肩書は「元アメリカ合衆国連邦議会立法調査官」という、公務員を連想させるいかめしいものだった。しかし実際のところは単なるインターンだったという話だ。テレビに出る人間がよく使うハッタリだったのだろうが、少し厚かましかった。

 演説予定の30分前になると聴衆が増えてきた。そしてついに「萩生田光一、萩生田光一、元気元気で選挙戦を戦っております!」の連呼とともに萩生田氏本人がやってきた。「高市早苗前経済安全保障大臣が本日やって参ります!」も連呼。人寄せパンダでもあるまいに……。

「高市早苗来る」が今日のメインイベントとか…(写真:橋本 昇)
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 選挙カーが着けられた。まずは車のルーフに防弾板が設置され、そこから私服警官が周囲を見渡す。宣伝カーの前には4人の自民党の市議会議員が並び、紹介されると一人ずつ手を振る。この際、自分をアピールするのは大事だ。

 それから、やれ地元議会のボスだの、市長だの前座の演説が始まる。そしてタスキをかけた萩生田氏がやって来るとひとりひとりに握手低頭してまわった。私の前に来た。特別理由はないが握手はしなかった。

「よろしく、よろしく、よろしく」と平身低頭で聴衆と握手して回る萩生田光一候補(写真:橋本 昇)
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 高市早苗氏もやってきた。早苗コールの連発。パチパチパチパチと拍手。

満願笑顔、準備万端、余裕綽綽、当選確実(写真:橋本 昇)
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