10月の衆院選では、自民党・公明党の与党が大きく議席を減らし、国民民主党などの野党が躍進する結果となりました。SNSなどを活用した「ネット選挙」が本格化しているなか、今回の衆院選におけるネット世論は選挙結果にどんな影響を及ぼしたのか。「『ネット世論』の社会学:データ分析が解き明かす『偏り』の正体」の著者である谷原つかさ・立命館大学産業社会学部准教授に聞きました。2回に分けて掲載します。
(河端 里咲:フリーランス記者)
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ネット世論と選挙結果の関連、国民民主党などへの賛成意見多く
──今回の衆院選にもたらしたネット世論の影響をどう見ていますか。
谷原つかさ・立命館大学産業社会学部准教授:衆院選でのネット世論の動向を説明するにあたり、今回の選挙期間中にYahoo!リアルタイム検索の「話題順」に上位200ツイート(Xの投稿)を分析しました。
各政党名を検索対象に調べたところ、まず前回同様に自民党・公明党の与党へのネガティブなツイートが圧倒的に多い結果が見られました。一方で、今回は国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、参政党、日本保守党などポジティブな意見が多く見られた政党も目立っています。
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次にネット世論と得票数の関連性について、X軸をポジティブなツイートとネガティブなツイートの差、Y軸を今回と前回の比例得票数の増減にして相関分析をしました。つまり、X上での人気度と選挙での勝ち具合にどれだけ相関があったか、ということを示すグラフです。