(尾中 香尚里:ジャーナリスト、元毎日新聞編集委員)
「2強多弱」に変化した国会
10月27日投開票の衆院選で148議席を獲得し、大きく躍進した立憲民主党。3年前(2021年)の前回選挙(96議席)から50議席以上を増やし、自民・公明の政権与党を過半数割れに追い込む戦果を挙げた。
メディアやネット上では相変わらず「立憲下げ」をやりたい勢力が、左右(この言葉は好きではないが)ともに多いようだ。
選挙結果の中からあらを探して「比例票が伸びていない」などと主張し、立憲の躍進を過小評価しようとする。あるいは、立憲より120議席も少ない野党第3党・国民民主党を無理やり持ち上げ、選挙結果の印象を大きくゆがめようとする。
だが、どんなに目を背けようとも、今回の選挙結果が示したことは明白だ。国会の構図が自民党の「1強多弱」から、自民党と立憲民主党を軸とする「2強多弱」へと明確に変化した、ということだ。
単に構図が変化しただけではない。
自公が過半数割れしたことによって、これまでの「自民党が多数派の横暴で全てを決定し、少数派の野党をなぎ倒した『決めすぎる政治』」が、第2次安倍政権の発足以来12年を経て、ようやく終焉を迎えることになる。
立憲民主党は明らかに、一つの階段を上った。この状況を踏まえ、立憲には「政権を担い得る政治勢力」としての新たな振る舞いが求められる。