「政権を担える勢力」としての使命は大きくなっている
だからこそ、立憲の責任は重大である。
実は筆者は、今回の選挙結果を受けて「自民党の下野、立憲への政権交代」まで起こすことは、まだ必要ないのではないかと考えている。
148議席という数は、安定した政権政党となるには、正直まだ心もとない。
それに、立憲が理念も基本政策も違い、政権運営への責任感も持たない中小政党を無理やり結集させて、一時的に過半数を得て政権を奪取したとしても、衆参で「ねじれ」となる国会を安定して運営するのは難しく、政権は早晩瓦解するだろう。
「非自民」勢力の目指すものがバラバラで、まともな政権運営ができなかった「平成の政治」を繰り返しかねない。
むしろ立憲は、国会の主導権を一定程度取り戻したことを、いかに政治的に有効に使うかを考えるべきだ。
政権監視と批判はもちろん重要だ。それが野党の役割だからだ。
自民党の石破政権は、裏金事件への対応をはじめ、批判されるべきことを山ほど抱えている。「批判ばかり」とやゆされても、ここは決して手を緩めてはいけない。
だが、立憲は今回の選挙の結果「自民党に代わる政権の担い手として期待される存在」であることを、明確に認知された。その期待に応える使命は、以前にも増して大きくなっている。