野党第1党としては現制度下で歴代第3位の議席数に
民主党が野党に転落し、第2次安倍政権が発足した2012年の衆院選。政権与党に返り咲いた自民党が獲得した議席は294、野党第1党に転落した民主党の議席は57と、目も当てられない大差がついた。
さらに、新興勢力として野党第2党となった日本維新の会は、54議席を獲得した。
与党と野党第1党の議席差が5倍以上の237議席に開き、一方で野党第1党と第2党の議席差はわずか三つ。野党の中核が見えなくなり、野党内の力関係は「どんぐりの背比べ」と化した。「1強多弱」時代の始まりだった。
この選挙から数えて今回の選挙まで、衆院選は計5回行われている。
この間の自民党の議席数の推移をみると、2012年294議席→2014年290議席→2017年284議席→2021年261議席と議席を減らし続け、そして今回、ついに191議席という「与党過半数割れ」に至った。
一方、野党第1党は2017年の「希望の党騒動」で、プレーヤーが民主党から立憲民主党に交代した。
議席数の推移は2012年57議席(民主)→2014年73議席(同)→2017年55議席(立憲)→2021年96議席(同)、そして今回の148議席(同)となる。
立憲は結党以降3回の衆院選で、毎回40~50議席レベルで議席を伸ばしてきた(このように見ると、2021年衆院選後の「立憲惨敗」の評価が、いかに的外れだったかも分かる)。
そして、今回立憲が獲得した148議席は、衆院に小選挙区比例代表並立制が導入されて以降の野党第1党の獲得議席数としては、2003年の民主党(177議席)、1996年の新進党(156議席)に次ぐ第3位の記録である。
2012年時点で237あった自民党と野党第1党の議席差は、今回の選挙で43にまで縮まったのだ。