国会議事堂(写真:共同通信社)国会議事堂(写真:共同通信社)

(西田 亮介:日本大学危機管理学部教授、社会学者)

特筆すべき「政治とカネ」への関心の高さ

 いま、我々が直面している衆院選の争点はいったいなにか?

 世論調査を見てみると、例えばNHKの世論調査によれば、「投票で重視すること」は上位から「景気・物価高対策」「社会保障制度の見直し」「『政治とカネ』の問題への取り組み」「外交・安全保障」「子ども政策・少子化対策」となっている。他社の世論調査も概ね同様の傾向にある。

 ちなみにだが景気や社会保障が上位に来るのは近年の選挙で概ね同様で、今回の結果で特筆すべきはやはり「政治とカネ」問題への取り組みであろう。

 昨年末から「裏金疑惑」が火を噴いていることは周知のとおりだ。岸田政権の最後から石破新政権にかけて内閣支持率は低迷し、自民党の政党支持率もいっときと比べれば回復してきたとはいえ低空飛行状態である。