評価できる米国の大手、一方で…

 私がおすすめするのは、安全性、定時性、サービス、運賃などの情報を個別に入手することである。いまはネットから多くの情報を利用者自身で集められる。格付け会社のランキングは過信してはならない。過去にどのような事故歴があったのか、それぞれの国の行政当局が公表する年度別の事故や重大インシデントの数も参考になる。

 一般論として言うのだが、アフリカ、南米、ロシアの航空会社は、パイロットの質の問題に加えて、これら地域では空港設備や管制システムの脆弱性もありあまりおすすめできない。軍出身者のパイロットが一定数いるアジアの多くの航空会社では、コクピット内の上下関係がきついためか、コミュニケーション不足となりヒューマンエラーによる事故を起こしている例が少なくない。

 一方、航空の安全文化が根付いている米国の航空会社のパイロット、特に大手で大型機を操縦するパイロットの技量と判断力は優れていると言っていいだろう。理由は米国ではパイロットは小型機、中型機、大型機へと経験を積んで昇格してゆくシステムになっているからだ。米国の大手はアジア、中東にも路線網があるので世界の主要空港へのフライトで利用することも可能である。

 定時性に関しては、機材トラブルなどがあって欠航となっても代替機を出せる大手の航空会社の方が安心なのは言うまでもない。

 機内サービスについていえば、どの会社もファーストクラスやビジネスクラスでのサービスについては力を入れているが、エコノミークラスでのサービスでは日系と外資系とでは大きな差がある。