(杉江弘:航空評論家、元日本航空機長)
IATAは2024年までの旅客数回復を予想も
新型コロナウイルスは多くの産業に影響を与えてきたが、とりわけ航空業界の経営は惨憺たる状況が続いている。
世界のエアラインを見ると、地域を問わず多くのLCCが倒産し、タイ国際航空のような国を代表する大手の航空会社もいくつかが経営破綻している。
日本人にもなじみのお隣、韓国では大手の大韓航空とアシアナ航空が政府の後押しによって合併を決めるといった驚きの事態も起きている。
いったいいつになったら航空業界はコロナ前の活況に戻れるのか?
IATA(国際航空運送協会)は航空業界全体の旅客数について、2024年までにコロナ前の水準を超えるとの見通しを示しているが、回復の度合いは地域によっても異なる展開が予想される。
北米での航空旅客は米国内市場の力強さを背景に、他地域に先駆けて2023年に全面回復を遂げると見込まれる一方、欧州では2024年に持ち直す見通し。アジアでは2025年にまでずれ込むと予想されている。