(舛添 要一:国際政治学者)
新型コロナウイルスの感染が拡大し、全国で1日に20万人を超えるという状況になっている。WHOが7月27日に発表したところによると、先週1週間の新規感染者数は、日本が96万9068人で世界最多という。ヨーロッパでは、すでに感染者が減ってきている。
社会経済活動に支障
これまでも、本コラムで、医療従事者への4回目のワクチン接種などについて政府の対応が遅いことを批判してきた(「来てしまった第7波、『4回目のワクチン』対象者の拡大を急げ」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70910)が、感染者の急増は社会生活に大きな打撃を与えている。
とくに医療機関では、発熱外来が受診者で満杯状態になっており、予約もとれない状態である。病床使用率も急上昇し、26日時点で、沖縄県で85%、静岡県で74%、神奈川県で71%など、18府県で50%を超えている。救急搬送も、受け入れ先が見つからず、患者が何時間も待たされる事態となっている。
医療機関や介護施設では、スタッフが感染したり、濃厚接触者になったりして、人手不足となり、業務を縮小せざるをえなくなっている。それもまた医療逼迫に拍車をかけている。
医療機関や介護施設のスタッフ以外のエッセンシャルワーカーの職場も機能がマヒ状態になっている。
保育園でもスタッフ不足で休園となり、子どもを預けられない親が仕事に行けなくなっている。
同じ理由で、鉄道会社やバス会社が列車やバスの運行を停止している。また、従業員の少ない郵便局が休業しており、27日現在で、全国の2万4000局のうち、154局が窓口業務を休止している。このように、国民の日常生活に大きな支障を来している。