ローマのコロッセオ
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 改正物流効率化法でパレット類の活用と標準化が努力義務となった今、改めて注目したいのがヨーロッパに根付く物流標準化の思想だ。ユーロパレットを起点にした精緻なモジュール設計、そして製品開発にまで及ぶデザインフォーロジスティクス。その源をたどると、意外にも古代ローマの建築思想に行き着いてしまった……。物流ジャーナリスト・菊田一郎氏が物流と文明の2000年史をひもとく。

ヨーロッパに根付いた物流標準化思想

 前回は、改正物流効率化法が求める「パレット化+標準化」の文脈で、日本のパレット標準化にまつわる知られざる歴史を振り返った。そもそも「物流効率化の最大のカギは、〈標準化〉と〈平準化〉である」というのが筆者の持論(たぶん、普遍的真理)だ。

 うち、物流標準化には3つの中核的構成要素がある。それは、「①モノと、②情報と、③業務プロセスの標準化」だ。そのうち「モノの標準化」の核心をなすのが、運ぶ貨物のサイズ、つまりパレットを含む輸送包装寸法/ユニットロード寸法の標準化なのである。

 今回は国内事情に続き、「物流標準化の先進地域」として世界に知られる、ヨーロッパに目を転じよう。もちろん注目するのは、パレットを軸とする物流機材、輸送包装/ユニットロードの寸法である。いきなり核心に突っ込むが、体系化されたヨーロッパの物流標準化・モジュール化思想のすごさを余すことなく表現しているのが、次ページの図表1だと私は思う。「お見事!」と叫ばずにはいられない。