技量不安の中、羽田着陸の新ルートには疑問

 長い間、車を運転していなかった一般の方が、たまに運転すると勘が戻るのに時間がかかる経験をすると思うが、それと同じことなのである。

 航空会社と国土交通省は、コロナ禍で航空会社が経費削減に力を入れている中にあっても、安全運航の維持のためには必要な経費を惜しんではならない。

 そして最後に付け加えておきたいことがある。東京都心の上空を羽田空港への進入着陸に使うコースの安全問題である。もとはといえば、東京五輪・パラリンピックなどを前提に、2020年にインバウンド客を4000万人に増やすためとの理由で使われ始めた。だが、コロナ禍で大幅な減便になり、その必要性には疑問がある。

 これまで述べてきたように、羽田空港に着陸するパイロットは内外問わず離着陸の機会不足の状態である。万が一、そのような技量不足のパイロットが事故や重大インシデントを起こしたら、取り返しのつかないことになるのではないか。

 私自身、「ボーイング747」やハイテク機の「エンブラエルE170」の操縦経験もあるが、この都心上空を進入着陸に使うRNAV(広域航法)という航法は、進入急降下を伴うもので、決してやさしいものではない。

 コロナ禍がこのようなところにも影響を及ぼしていることを忘れてはいけないのである。