ブラックマンデーと重なる昨今の動き
そこから先、債券は売りが売りを呼ぶ展開となります。それは株式市場に波及します。債券の損失を埋め合わせるべく、含み益がある株式を売却する動きが強まっていきました。そして1987年10月19日に運命の日、ブラックマンデーを迎えたのです。ちなみに日本株の高値はブラックマンデーの4営業日前でした。
筆者には今回の動きが当時に重なってみえます。長期金利が4.3%という2022年11月の水準を上抜いてきたら、機関投資家は債券の見切り売りに転じ、あわせて株も売ってくるのではないでしょうか。
冒頭で述べたように、謎の巨大ヘッジファンドは、「インフレの収束→金利低下」を先取りする形で、日米欧の株式先物市場を押し上げてきました。
しかし米財政赤字の急増で、その期待は裏切られる可能性が出ています。もし長期金利が4.3%を大きく上回るようなら、ブラックマンデーが起きた1987年の再来もあり得ると思って注意してください。
※本稿は筆者個人の見解です。実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。