日経平均株価は6月13日、1990年7月以来の3万3000円台を回復した(写真:つのだよしお/アフロ)

(市岡 繁男:相場研究家)

日銀マネーの流動性は縮小したが

 日本の株価が33年ぶりの高値圏にあります。6月13日には日経平均株価は終値で3万3000円台を回復するなど、1989年大納会につけた史上最高値の3万8915円まであと約7000円の水準に迫っています。

 筆者は4月22日の当コラム「株価の天井は広島サミットか、市場に出現している3つの異変は無視できない」で、「5月中旬の広島サミットあたりまで株高が続く」と書きました。

 理由は、株高の原動力である日銀マネーが膨張していたからです。当コラムでも何度か触れたように、過去を振り返ると、中央銀行による量的緩和によってマネーの流動性が高まると株価が堅調に推移し、逆に緩和策の縮小で流動性が下がると株価も勢いを失うという連動性がみられました。

 ところが、広島サミットが終わってからも1カ月にわたって相場の上昇が続いています。日銀マネーの流動性の指標である当座預金残高は4月下旬から縮小に転じているのに、株価は上昇を続けています(図1、ここでの株価はTOPIX=東証株価指数)。なぜそうなったのか、また今後も株高が続くのかについて考えてみたいと思います。

【図1】出所:日銀、東証
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