米ドルの時代はいつまで続くのか。写真は10ドル紙幣(写真:アフロ)

5月1日、米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が破綻した。3月にシリコンバレーバンク(SVB)が破綻して以降、銀行の健全性に対する疑念が渦巻いている。そんな中、米連邦準備理事会(FRB)は5月3日、0.25%の利上げを決定した。インフレ懸念を払拭できずに金融システム不安まで広がるうえ、世界ではドル離れの動きも出ている。今後、米ドルの覇権はどうなるのか、先行き不透明な時代の投資先は何か。

(市岡 繁男:相場研究家)

ドル離れを助長させたウクライナ戦争

 世界でドル離れが進んでいます。

 第2次大戦後、世界の貿易はドルを基軸に行われてきました。ところが2022年にウクライナ戦争が勃発したことを受け、米国とその同盟国はロシアの金融資産を凍結し、ドルベースでやりとりされているグローバル決済システムからロシアの銀行を切り離しました。

 これを見た新興国は「明日は我が身」とばかりに、「国籍」のない金を買い進めると同時に、他国との貿易ではドルを介さず、お互いの通貨で直接取引しようという取り組みを本格化し始めています。

 もっとも、米国債の発行残高に占める海外投資家の割合をみると、リーマンショックが発生した2008年をピークに22年末までの14年間で半減していました(図1)。代わりに増加したのは金準備で、新興国のドル離れは今に始まった話ではありません。

【図1】出所:World Gold Council、FRB
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(本記事は多数のグラフを基に解説しています。正しく表示されない場合にはオリジナルサイト「JBpress」のページでお読みください)

 ただし、ウクライナ戦争がその傾向を助長させたことは間違いないでしょう。