日本の株高を支えてきた条件は崩れつつあるのか(写真:AP/アフロ)
  • 上昇を続けてきた日本株だが、筆者は「戻り天井」を打った可能性が高いと考えている。
  • 日米欧の中央銀行による金融流動性の供給が世界的な株高を支えてきたが、欧州を中心に流動性を急速に縮小させるなど逆風が強まる。
  • 米国でも流動性の縮小は避けられず、日銀の金融政策転換もあり得る中、株価の先行きが安泰とはとても言えない。

(市岡 繁男:相場研究家)

海外の金融情勢に変化

 年初から7月3日にかけて8037円、率にして31%も上昇した日経平均株価ですが、7月4日から5営業日続落し、高値から5%ほど下落しました。

 果たしてこの調整は一時的なのでしょうか? あるいは戻り天井を打ったのでしょうか?

 結論から言いましょう。筆者は後者、つまり戻り天井の可能性が高いと考えています。日本株だけ見ていてはわかりませんが、海外の金融情勢に変化が起きているからです。

 前回、6月21日掲載の当コラム「世界的な株高は遠からず逆回転へ、流動性縮小・金利上昇で調整は避けられない」で、筆者は「世界的な株価調整の予兆は出現しており、日米欧3極中央銀行の資産が縮小し始めていることがその現れだ」と述べました。

 あれから3週間経ったいま、その状況はより明確になっているのです。