(写真:Featurechina/共同通信イメージズ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

「テクノロジー産業複合体」への懸念

[ロンドン発]オープンソースの大規模言語モデル(LLM)を開発する中国の人工知能(AI)企業「DeepSeek(深度求索)」の新モデル「R1」は一夜にして米ハイテク企業の時価総額を1兆ドル(約154兆円)も吹き飛ばし「米国例外主義」神話を打ち砕いた。

 ドナルド・トランプ米大統領の就任式にはテスラおよびスペースXのイーロン・マスク氏、メタのマーク・ザッカーバーグ氏、アマゾンのジェフ・ベゾス氏、アルファベットのスンダー・ピチャイ氏、アップルのティム・クック氏、オープンAIのサム・アルトマン氏らが出席した。

 トランプ氏はアルトマン氏、ソフトバンクグループの孫正義氏、オラクルのラリー・エリソン氏と共同記者会見し、米南部テキサス州などで大規模データセンターなどAI関連インフラ整備を進めるため4年間で5000億ドルを投資する「スターゲート」計画をぶち上げた。

ホワイトハウスのルーズベルト・ルームで、ソフトバンクCEOの孫正義氏、オラクルCEOのラリー・エリソン氏、Open AI CEOのサム・アルトマン氏が見守る中、AI開発への投資計画について発表するトランプ大統領(写真:Pool/ABACA/共同通信イメージズ)

 そのトランプ氏はDeepSeekの衝撃を「私たちの業界にとって競争に勝つためにはレーザーのように焦点を絞る必要があるという警鐘になるはずだ。われわれには常にアイデアがあり、先を行っている。だからこれは非常にポジティブな展開になり得るだろう」と冷静に受け止めた。

 ジョー・バイデン前米大統領はホワイトハウスを去る際「極端な富・権力・影響力を有する寡頭政治が形を成しつつあり、われわれの民主主義全体、基本的な権利と自由を脅かす」とビッグテック長者とトランプ氏の蜜月による「テクノロジー産業複合体」へ強い懸念を示した。