運用コストはオープンAIのわずか2%

 それによると、DeepSeekは数学やコーディングを含むさまざまな論理タスクにおいてChatGPTモデルよりはるかに優れたオープンAIのo1と同等の性能を持つR1推論モデルを発表した。その運用コストはオープンAIの料金のわずか2%程度というから驚きだ。

 さらにノートパソコンでも画像生成できるモデル「Janus Pro」をリリースした。このモデルはオープンAIの「Dall-E3」よりも高性能とされる。「DeepSeekが引き起こすAIイノベーションのスピードは世界を驚愕させている」(シュミット氏)

 刮目に値するのはDeepSeekの全モデルがオープンソースであることだ。「中国企業がオープンソースのリーダーになるというのは奇妙な瞬間だ。メタを除いて、ほとんどの主要な米国企業はその手法を厳重に秘密にしている」とシュミット氏は指摘する。

 厳しく統制された政治体制の中国がオープンサイエンスを受け入れている理由はいくつかある。オープンサイエンスにより中国はグローバルにイノベーションを活用でき、欧米の競合他社に急速に追いつき、そして追い越すことさえ可能になる。