一連の民主化運動を理由に逮捕・収監されていた香港の民主派、周庭氏は2021年6月に出所したが(写真:ロイター/アフロ)

世界的な景気悪化が懸念される中、中国の経済成長も減速しています。国際通貨基金(IMF)が10月28日に明らかにした見通しによると、中国の2022年の成長見通しは3.2%と、4月時点の予想から1.2%ポイントも低くなりました。世界経済の成長を牽引してきた中国経済はどうなるのでしょうか? その指標の一つとなってきた香港株の動向から考えてみます

(市岡 繁男:相場研究家)

香港株躍進の背景に中国のWTO加盟

 香港株(ハンセン指数)と日経平均株価は2001年から2006年半ばまで似たような水準、似たような値動きで推移してきました。

 しかしそれ以降、香港株は日経平均とは異なる勢いで伸びました。2006年半ばからリーマン・ショック前年(2007年)までの日経平均を突き放し、リーマン後の回復局面でも大きな差をつけたのです(図1)。

【図1】出所:Investing.com
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 香港株躍進の背景にあったのは、中国の世界貿易機構(WTO)加盟です。