預言者プーチンの論理
人口約64万6700人の命を守るため陣頭指揮を執るビルクル氏は今のロシアがナチスドイツよりひどくなった理由についてこう解説する。
「プーチンは全体主義的でカルトのような宗教を作り上げた。ロシア正教の伝統と、大祖国戦争(第二次世界大戦)の勝利に対する歪んだ解釈、レーニンのカルト、そして核のボタンを崇めることだ」
「プーチンが作り上げた疑似宗教における神、この宗教はキリスト教とは何の関係もない。この核のボタンこそが彼らが崇拝する神なのだ。プーチンの神は核のボタンだ。プーチンはその宗教の預言者のようなものだ。ロシア正教会の伝統はそのための見せかけに過ぎない。ただの隠れミノだ」
「隠れミノの下に預言者としてのプーチン、神としての核のボタンが存在する。プーチンは22年前に大統領になってから新しい宗教を作り上げたのだ。その効果は蓄積され、時間の経過とともに大きな影響力を持つようになった。この狂ったイデオロギーの影響下ですでに2世代が育っている。全世界にとっても非常に危険なことだ」
ビルクル氏は「西側諸国はこれに対処することができる」と断言し、北大西洋条約機構(NATO)加盟の見通しについてこう語る。
「大きくて狂った強国のすぐ隣にウクライナはある。わが国はロシアよりはるかに小さい。だからこそ相互防衛が働く安全保障システムの中にいる必要がある。ロシアが世界で2番目に強い軍隊を持っているというのは神話だった。ウクライナ軍はロシア軍と戦い、勝利を収めつつある。ウクライナはブロックの中で居場所を獲得している」