6月8日、激戦地セベロドネツクでロシア軍と対峙しているウクライナ軍兵士が、戦闘中に話し込んでいた(写真:AP/アフロ)

(在ロンドン国際ジャーナリスト・木村正人)

[キーウ発]東部ルハンスク州のセベロドネツクでロシア軍の攻撃が続いている。

 セベロドネツクの市長は英BBC放送に「ウクライナ軍は爆撃を受けているのに自衛する手段がない」と長距離砲と防空システムの必要性を強調した。「ウクライナの大砲1門に対しロシアの大砲は10~15門もある」(ウクライナ国防省情報総局幹部)という。

 前線の詳細について、自ら志願して5月からウクライナ軍に参加している元米陸軍兵士マーク・ロペス氏に聞いた。

筆者のZOOM取材に応じるマーク・ロペス氏(筆者がスクリーンショット)

イラク戦争やアフガン戦争も経験した歴戦の兵士

  ロペス氏は米陸軍で1974年から30年間、機甲と空挺の任務につき、イラクやアフガニスタンにも従軍。そのあとも米民間警備会社を経営し、アフガンに継続して関わった。

 14年から4年間、ウクライナ軍に現地で爆発物探知や戦闘外傷救護を指導した。昨年8月にはアフガン脱出作戦を支援。今回は外国人志願兵(ウクライナ軍少佐)として戦闘外傷救護を指導した後、戦闘部隊に加わる。現在は東・南部戦線の後方にいる。