――ロシア軍の戦略はまったく間違っていて、準備も装備も不十分で、士気も低いと言われています。

ロペス 私の見解では、問題はおそらく彼らのシステムの一部であると思います。ウクライナ軍の兵士は非常に優秀で、2014年のロシア軍によるクリミア侵攻から自国のために自国内で戦っています。これに対してロシア兵は新兵です。ロシア兵は真実を語りません。良い食べ物、良い水、良いコミュニケーションもありません。

 ロシア軍はたくさんのロケットや大砲を持っている。しかし戦争の勝利は、祖国のため、領土や家族を守るために戦う兵士によってもたらされるのです。ロシアは侵略者です。ロシアが喧伝する占領地での住民投票は真実ではありません。

 イーロン・マスク氏のスターリンク衛星インターネットシステムの中に真実があります。ロシアのデマゴーグやプロパガンダ、第二次大戦中の旧ソ連のシステムの中には真実はありません。ロシア軍はウクライナ軍を押し返しているのでしょうか。どんな戦争にも一進一退があります。

 重要なのは米英、北大西洋条約機構(NATO)、欧州がウクライナに武器を与えていることです。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の「今これが必要だ、弾薬が必要だ」という言葉を聞く前に与えるべきでした。対戦車兵器については、それなりに耳を傾けました。いま必要なのは大砲です。

「これは第三次世界大戦だ」

――ウクライナ軍はロシア軍をどこまで押し返せると思いますか。

ロペス これはウクライナで起きている第三次世界大戦なんです。ロシア人がウクライナからいなくならない限り、戦争は終わりません。他の指揮官や兵士たちとも話しましたが、私の考えでは戦争を止める唯一の方法は、ウクライナ人がロシア人と分離主義者をウクライナから追い出すことです。

――この戦争はこれから先、何年も続く可能性があるということですか。

ロペス アフガンでの悲劇的な戦争は20年続きました。この戦争が20年続くと思うかといえば、そうは思いません。ウクライナ軍の武器や指揮系統が改善され、ウクライナの穀物輸出が再開されることを期待しています。NATOはウクライナを支援しています。ロシアでは多くの家族が徴兵された息子たちがウクライナに送り込まれたことを知らないのです。

――ウクライナ軍の兵士も大きなダメージを受けていると思うのですが。

ロペス 大砲のせいで第一次大戦のように、脳震盪や外傷性脳障害、手足の切断も多いのですが、負傷兵を前線から搬送し、良い治療を施しています。戦うだけではダメです。戦うのは軍隊の20~40%で、残りはロジスティクスとサポートです。燃料を補給する人、食事をつくる人も必要なんです。戦争では、戦う人だけでなく、支える人も重要なんです。