自民のパワハラ四天王の一人も菅政権をアゲアゲ
他にも、こども庁の設置に向けた準備室の立ち上げ。参院議員の山田太郎さんが指摘してきたように、児童福祉、教育、出生率向上など、かねて「高齢者に比べると、母親、赤ちゃん、子供への社会保障予算の配分が少ない」と指摘されてきた問題に対して、新たな組織の設置とともに改善に向かうことが期待されます。
さらに、文字通り1年でできあがるデジタル庁は、菅義偉政権でなければなかなか道筋がつけられなかった案件じゃなかったかと思います。途中、官邸との水面下での蹴り合いもありつつも、デジタル大臣の平井卓也さんですら「デジタル庁立ち上げは菅首相の功績」と持ち上げています。
外資系資本が匿名で自衛隊基地や原子力発電所周辺などの土地を買収することを規制する重要土地取引規制法の成立も、野党からの大きな反発がありましたが、安倍政権の積み残した大問題を解決した代物でした。
政権立ち上がり当初は、例えば「携帯電話料金の引き下げで国民の可処分所得を増やす」とか微妙な物言いをしていた上に、環境大臣に就任した小泉進次郎さんが突然レジ袋有料化とか言い始めて不安感でいっぱいでした。ところが、蓋を開けてみたら小泉さん周辺以外は手堅く、「経済財政運営と改革の基本方針2021」の閣議決定し、それに伴い最低賃金を引き上げました。
また、国民投票法の改正も「全世代型安全保障改革」の調整難航を乗り越えてあっさり最終報告を閣議決定し、不妊治療への保険適用範囲を拡大しました。これら、安倍政権末期ではなかなか突破できなかった問題を次々に処理した、まさに菅義偉らしい政権だったように思います。
何よりも、なんだかんだ問題はありつつも、最後まで尾身茂さんを中心としたコロナ対策分科会の話は最後まで聞き、ファイザー&ビオンテックやモデルナのワクチンは全国民分の調達を成し遂げ、いまやコロナワクチン接種については欧米諸国の二回接種率と同等の割合まで引き上げました。
私も当初「1日100万回接種は難しかろう」と思っていたところ、ワクチン担当大臣に据えた突破力のある河野太郎さんと、そのシステム開発を担い円滑なワクチン配送と接種の道筋をつけた内閣府大臣補佐官の小林史明さんのセットは充分な仕事をし、100点満点ではないけれどワクチンを行き届かせるためには合格点と言える結果を果たしたのは印象的です。
もちろん、その道筋は平たんではなく、また国家(政府)と厚労省と都道府県と自治体のおのおのの機能の分断という日本ならではの課題もまた浮き彫りにしましたが・・・。