2019年7月11日、小惑星探査機はやぶさ2は、人類の宇宙探査に新たな金字塔を打ち立てた。約3億km彼方の小惑星リュウグウで、2回目のタッチダウン(着陸)に成功したのだ。
着陸直後に弾丸を発射。試料を採ったことはほぼ確実であり、その試料にはリュウグウの地下物質が含まれているとみられる。小惑星の地下物質採取は史上初である。快挙だ!
詳細な解析結果によると、はやぶさ2の着陸場所は目標から60cmしか離れていなかった(1回目は誤差1m)。3億km先の的に対して、わずか60cmの誤差。しかも2回目の着陸時は、探査機の「目」の役割を果たすレンズなどが曇っていた。つまりハンディがあったのに。いったいどうやって、こんな離れ業を3億km彼方にいる小さな探査機にさせることができるのか。
2019年2月の第1回着陸成功会見で、津田雄一プロジェクトマネジャーが語った言葉を思い出す。探査機を持つことは「非常に遠い目と長い手を持ったのと同じ。その手を伸ばして物質を採り、地球に持ち帰る」と。
そこで第2回の着陸成功後に尋ねてみた。「今回も、自分の手を伸ばしているような感覚だったのですか? まるで自分の分身のように?」と。