気持ちは分かるが、いったい誰が買うのか?
こうした中で、フォルクスワーゲンは第二の創世記という発想の下、EV専用ラインナップ「ID.シリーズ」の展開を始めた。
「ゴルフ」クラスのイメージのEV車「ID.3」や、それよりも少しボディサイズが大きくテスラの対抗馬という印象の強い「ID.4」のほか、往年のバギー車とType2を彷彿させるID.Buzzをコンセプトモデルとして公開した。
2017年の北米国際自動車ショー(通称:デトロイトショー)や、2019年のドイツ国際モーターショー(通称:フランクフルトショー)などで、ID.Buzzコンセプトを見た際、欧米や日本のメディア関係者、さらには欧米日の自動車メーカー関係者は「(メーカー側の)気持ちは分かるが、いったい誰が買うのか?」と疑問の声をあげた。

需要が限定的なので、コンセプトモデル止まりで、量産はされないのではないかという見方をする人もいた。
ところが、ID.Buzzを取り巻く環境はその後、大きく変化した。