6月17日に発表された新型「リーフ」の走行する様子(写真:日産自動車)

日産自動車は6月17日、電気自動車(EV)の新型「リーフ」を世界で初めて公開した。開発関連資料には、「短い充電時間と長い航続距離」を示す図表があった。日産関係者は「実際に、日産グローバル本社がある横浜から青森県大間(おおま)まで約800km走行したデータ」という。そこで、日産が示したデータを基に、横浜から青森県大間の800km走行をイメージしながら「妄想試乗」を実施。新型リーフの商品性や特徴を洗い出してみた。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 新型リーフ」の開発関連資料によると、バッテリー容量が75.1kWhの「グレード B7」 では、約2時間ごとに急速充電を行い、約8時間で目的地の大間に到着したという。競合他社の車と比較すると、約1時間の短縮となった計算だ。これは、バッテリー性能と充電効率が上がったことを証明するものだ。

 ガソリン車やハイブリッド車の場合、高速道路では2時間ごとに給油するケースは少ないかもしれないが、EVとしては優秀な結果だと言えるだろう。

 本稿執筆時点では、新型リーフの日本仕様の実車が正式に公開されておらず、実際に公道で長距離の試乗をすることができない。

 そこで、日産が示したデータを基に、横浜から青森県大間までの800km走行を想像しながら、新型リーフの商品性や特徴を洗い出した。つまり、「妄想試乗」ということだ。 

次世代感のあるデザインと家族4人がゆったり座れる広さ

 まずは、クルマとしての見た目だ。次世代感があり、スッキリした印象。日産では、「スリーク」と表現する。

新型「リーフ」の走行を斜め後方から見た様子(写真:日産自動車)

 日本仕様のボディ寸法は、全長4360mm×全幅1810mm×全高1550mm、ホイールベースは2690mm。第2世代リーフと比較すると全長が120mm短く、全幅は20mm広く、全高は10mm低い(ロッドアンテナ仕様比では10mm高い)。

 車内は、第2世代リーフと比べると広々としているように感じる。開発者は「家族4人がゆったり乗れて、荷物も十分に積める」というファミリーユースの基本を追求したという。リアラゲッジスペースは420L。

 ダッシュパネル全体の雰囲気は、同じ日産車の「アリア」のような水平方向を強調した造形だ。

新型「リーフ」のインテリア(写真:日産自動車)

 また、頭上の調光パノラミックガラスルーフの影響も大きく解放的に感じる。気になるのがガラスルーフの温度だが、ここに日産の工夫がある。

「他社の場合、遮熱・遮光のために、ガラスの中の膜で赤外線を吸収するのでガラスの温度も上がるが、弊社の場合、赤外線を外に反射させるため、温度があまり上がらない」という。