関税の外科的活用は交渉ツールとして効果的
「関税はトランプ氏や共和党に限った問題ではない。政策立案者もその必要性を認識するようになった。第1次政権で証明されたのは関税の外科的活用、つまり戦略的で的を絞った措置は交渉ツールとして非常に効果的ということだ」とランダー氏は振り返る。
交渉を通じて相手国の譲歩を引き出し、貿易関係を改善することは可能だ。今回の貿易戦争がカオスをもたらした理由は関税が外科的ではなく「焦土作戦」に使われたからだ。トランプ氏はペンギンの数が人を上回る島にも10%の相互関税を課し、対中関税を145%に引き上げた。
「中国との対立はトランプ氏のパワーの限界を示す重要な兆候になっている。多くの国が米国と貿易協定を結ぶため列をなす中、中国は報復関税を発動し、米軍需産業にとって不可欠な原材料になるレアアースの輸出を停止した」(ランダー氏)
トランプ氏はノートパソコンやiPhoneを含む特定の電子機器を一時的に対中関税の対象から除外した。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)がハワード・ラトニック米商務長官らトランプ政権高官と対中関税の影響について議論した直後だった。