日本市場を狙うオンの戦略

 オンは2010年にスイスで生まれて、急成長を遂げてきたブランドだ。2022年4月に東京・原宿のキャットストリートに世界で2店舗目、アジア初の旗艦店となるOn Tokyo(オン・トーキョー)をオープン。国内ではタウンシューズとしての人気を集めると、近年はトップアスリートの着用も目立つようになってきた。

 まずは中距離選手にアプローチを開始。今年正月の箱根駅伝では7区を区間新で爆走した佐藤圭汰(駒大)がオンのシューズを着用していた。また2月の丸亀国際ハーフマラソンで59分30秒(日本歴代2位)の日本学生記録を打ち立てた篠原倖太朗(富士通)ともアスリート契約を締結している。

 オンが三浦と契約したのは日本市場を見据えてのこと。アスリートマネジメントのスティーブ・デコーカー氏はこう語った。

「オンにとって日本は非常に重要な市場で、大きな成長の可能性があると感じています。そのため日本人トップアスリートとパートナーシップを組む必要性があると考えていました。三浦選手は世界でもベストアスリートの一人。またSUBARUチームとパートナーシップを結んでいますので、今回の契約を持って、チームとの関係性も強化することができると考えています」

 またオンは北米、欧州、豪州にOAC(オン・アスレチッククラブ)を立ち上げており、そこを拠点に世界トップクラスの契約選手たちがトレーニングを積んでいる。日本人では佐藤が練習に参加しており、今後は三浦もOACでトレーニングする機会があるかもしれない。