写真提供/オン・ジャパン

(スポーツライター:酒井 政人)

3000m障害の歴史を変えた三浦龍司

 日本の3000m障害を変えてきた男が「新しい競技人生のスタート」を切った。これまでに数々の記録を塗り替えてきた三浦龍司(SUBARU)が“勝負靴”を履き替えたのだ。

 スイスのスポーツブランド「On」(以下、オン)は2025年3月より三浦とアスリート契約を締結。その発表会が東京・国立競技場で行われた。

「オンは勢いのあるブランドですし、自分自身も刺激を受けています。契約できることはすごく光栄に感じますし、これが自分の新しい競技人生のスタートになると思っています」

 昨季までは別メーカーを着用していた三浦だが、オンのウェアも似合っていた。

 発表会が行われた国立競技場は2021年に開催された東京五輪の会場だ。4年前、三浦は無観客のなかを必死に駆け抜けた。そして予選で日本記録を塗り替えると、決勝では7位入賞の快挙を果たしている。

 翌年のオレゴン世界陸上は予選で敗退したが、一昨年のブダペスト世界陸上で6位入賞。そして昨年のパリ五輪では8位入賞を達成した。近年は世界最高峰リーグであるダイヤモンドリーグ(DL)にも積極的に参戦しており、世界トップクラスの“サンショー選手”として認知されている。

 今年は9月に東京で世界陸上が開催される。国立競技場でどんなパフォーマンスを発揮するのか。4年間で様々な経験を積んだ三浦は「メダル」という目標を堂々と口にした。