マンジオーニ被告の素顔とは
複数の報道によれば、マンジオーニ被告はメリーランド州生まれ。地元の名門校を卒業後、エリート大の集まる「アイビー・リーグ」の一つ、ペンシルベニア大でコンピューターと情報科学を専攻し、工学修士を取得している。
裕福な家庭に育ち成績も良く、高校では首席クラスの優秀な生徒が担う卒業演説まで行っている。逮捕を受けて取材に応じている複数の友人らからは「賢い」という言葉が多く聞かれ、性格も良く、過去に問題行動などもなかったとされる。
10日、ペンシルベニア州の裁判所に姿を見せたマンジオーニ被告は報道陣に憎悪をむき出し「米国民の知性と、人々の実体験に対する侮辱だ!」と叫んだ。
マンジオーニ被告のXアカウントには、38万近い(11日時点)フォロワーがついている。Xで出回っている情報によれば、逮捕前にはおよそ100~500人程度のフォロワーしかいなかったものが、CEO襲撃の容疑者として氏名が公表されてから急増したという。
米国を震撼させた銃撃事件の逮捕者であるにもかかわらず、現在Xには「ルイージを自由に」というハッシュタグまで作られている。
ノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラ氏の画像と、マンジオーニ被告を並べた投稿もある。銃撃犯に似た人物がいると警察に通報したのがマクドナルドの従業員だったことから「マクドナルドは2度と食べない」など、被告を擁護する投稿が飛び交っている。
マンジオーニ被告に対する熱狂的な支持はXにとどまらず、異様な様相を呈している。Googleは被告が逮捕されたマクドナルドのカスタマー・レビューを停止した。逮捕後、この店に対し「ネズミが出る」などと根拠のない誹謗中傷や被告を賞賛するようなコメントであふれかえったからだ。逮捕した地元警察に至っては、殺害予告などの脅迫を受けたという。
人々が保険会社幹部の殺害について、糾弾するどころか歓迎するような言動をしてしまう背景には、米国をむしばむ「医療格差社会」がある。