高額医療費で相次ぐ破産、保険会社への怒り広がる
米国には日本のような国民皆保険の制度がなく、医療費も高額だ。公的医療保険は65歳以上の高齢者、または障害者や低所得層のみが利用可能で、その他の人たちは、民間の医療保険に加入せざるを得ない。
今年2月、米国の医療問題を調査する非営利団体・KFFが発表した調査によれば、成人の4割以上が何らかの医療債務を抱えるとされる。このうち1400万人(成人の6%)が1000ドル、300万人(同1%)が1万ドル以上の医療債務を負っている。また、一家庭の健康保険料の平均は年間およそ2万6000ドル、単身者は9000ドルで、前年比6〜7%増としている。
米調査会社・ギャラップの世論調査によれば、昨年医療にかかるコストについて不満を持っている人の割合は81%と高水準であった。
英ガーディアン紙は、こうした債務により破産し、家まで失う人の数が毎年数万人に上ると指摘した。また米CBSニュースも、米国における破産の最大の原因が、医療費関連の負債だとしている。
また、高額の医療保険に加入しても、保険会社が色々と理由をつけて保険料の支払いを拒否する例が多いという。そのため、日本ではあり得ない高額の医療請求が突きつけられることもある。慢性疾患を抱えるある学生は、ユナイテッド・ヘルスケアから医師によって処方された薬の補償を拒否され、80万ドルもの巨額の医療費を請求されたという。
ネット上には真偽不明なものの、保険会社による支払い拒否で困窮する人たちの声であふれかえっている。