「空襲避難」では核攻撃による放射能汚染も想定
【項目4】は「警戒体制の強化」に関する内容だ。戦争状態または武力紛争の脅威が迫っていることを知らせるために非常警報を発令し、TDSをフル動員し、「全ての人が戦争準備を整え、国全体が最高レベルの警戒態勢に突入する」とする。
【項目5】は「総合防衛義務」で、国民と在留外国人に関する義務を説明している。戦争の発生またはその脅威がある場合、TDSのもと16歳~70歳の男女問わず全ての人を対象に、以下の義務を負うとしている。
・軍事または民間防衛サービス:警戒体制強化の場合、割り当てられた戦時配置地に直行
・一般国家奉仕:これが発動された場合は、通常業務を続けるか、またはTDS支援のための他の任務を行うか、各人の状況や緊急度に応じ臨機応変に対応
【項目6】の「警報システム」は、空襲警報と政府からの警報情報の伝達手段・方法を具体的に示している。
屋外警報は大音量サイレンで大多数の自治体と原子力発電所周辺で運用される。
・公共サービス指示(PSA):サイレンが「7秒間鳴った後14秒間無音」のパターンを2分間継続
この場合は屋内に入り、窓やドアを閉め、できるだけ換気装置を停止。直ちにスウェーデンの公共ラジオ放送のP4チャンネルを受信して詳細情報の確認に努める。危険な大気汚染や有毒ガス発生の場合にも発令されるが、原子力発電所への攻撃や核攻撃による放射能汚染も想定していると思われる。
・緊急警報:サイレン音が30秒間鳴り、その後無音が15秒続くパターンが5分間継続
これが発令された場合、全国が最高警戒態勢レベルに入ったことを意味する。一般人は速やかに屋内に入り、武装部隊・民間防衛に所属の人は、担当する戦時配置場所に直行。職場が戦時配置場所の場合は雇用主の指示に従う。
・空襲警報:短いサイレン音が断続的に1分間続く
この場合すぐさま身を隠すことに集中する。民間防衛シェルターや地下室、頑丈な構造物の中に退避し、できるだけ窓のない部屋に身を隠す。