「10増10減」で初の選挙
小選挙区選挙とは、1つの選挙区で1人の議員を選ぶ選挙です。
現在、小選挙区は全国を289の選挙区に分けて実施されています。それぞれの選挙区で最も多くの票を獲得した人が当選します。ただ、それぞれの選挙区内では有権者の数が違うため、都市部と郡部の選挙区では当選者の得票数に大きな差が生じます。こうした「1票の格差」を是正するため「区割り」の変更が随時、行われています。
【関連記事】
衆議院補欠選挙でも問われる「1票の格差」 裏金事件の「政治とカネ」問題だけじゃない、もう一つの注目点
直近では2020年の国勢調査の結果に基づいて2022年に公職選挙法を一部改正し、選挙区の増減を行いました。この増減は「10増10減」と呼ばれます。小選挙区の数は、東京都で5増加、神奈川県で2増加、3つの県(埼玉県、千葉県、愛知県)でそれぞれ1増加。逆に10の県(宮城県、福島県、新潟県、滋賀県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、長崎県)でそれぞれ1減少しました。
今回の衆院選はこの「10増10減」が成立して初めての選挙となります。また、小選挙区の数に変更はないものの、前回2021年の衆院選と比べると、100以上の選挙区で区割りが変更されました。したがって、前回選挙とは異なる選挙区に組み込まれた有権者も多く、馴染みの薄い候補者の顔ぶれに戸惑うことがあるかもしれません。