政党を選ぶ比例代表選挙

 小選挙区制の問題として指摘されるのは「死票」の多さです。小選挙区制で2位以下の候補に投じられた票は国会の議席に反映されず、死票となってしまいます。その欠点を補う目的で導入されたのが「比例代表選挙」です。

 比例代表は全国を11のブロックに分け、合計176人の衆議院議員を選出します。内訳は、北海道(8)、東北(12)、北関東(19)、南関東(23)、東京都(19)、北陸信越(10)、東海(21)、近畿(28)、中国(10)、四国(6)、九州(20)です。

 比例代表選挙で有権者が選ぶのは「政党」です。投票用紙には政党名しか書くことができず、政党に所属していない者は比例代表に立候補することはできません。各政党は事前に比例代表で立候補する者に順位を付け、その名簿を選挙管理委員会に提出します。

 名簿に載せる候補者の順位は、政党の裁量で自由に決めることができます。当選させたい候補を上位にすることが多く、有名人や長老、絶対に落とせない党の要人らを上位とするケースが大半です。また、それぞれの地域事情により、小選挙区から立候補できなかった人を上位に載せるケースもあります。

 比例代表では、上記11のブロックごとに政党の得票数に応じて議席が分配されるため、小選挙区制に比べて死票の割合が少なくなる利点があります。ただ、有権者からすれば「A政党に勝利してほしいけれど、A政党の比例名簿1位のB候補は絶対に支持できない」というケースも生じるでしょう。その場合、有権者はどうしたらいいのでしょうか。選挙になれば、こうした“悩める有権者”が続出しているはずです。

 現行の比例代表選挙では、小選挙区にも比例代表にも立候補できる「重複立候補」が認められています。そのため、「小選挙区で落選したのに、比例代表で復活当選する」という結果を生むことにつながっています。

 この「重複立候補」とは、どのような制度なのでしょうか。